夏といえば稲川淳二の稼ぎ時、怪談話しの季節です。


浅野ケンジ「そういえば今年はまだ怪談話し大会をしてへんかったな」
ましゅまろちゃん「なんで、その大会があたかも恒例みたいに言い切れちゃうわけ?」
飛鳥どれみ「言い切っちゃえば真実になると思ってんだよ。まやかしで生きてきた証拠だな」
浅「黙れ!!そんなこと言ってられるのも今のうちだけや。俺の怪談は怖いで」
ま「とっとと話してよ」
浅「言われんでも話すわ。これは実は去年にも話したんやけどな、西武新宿線に野方っていう駅があるんや。この野方駅のすぐ隣に事故がやたら起きる踏切があんねん。しかもその事故が毎回、凄惨な事故でな、ある時中年の女性が電車に轢かれて亡くなったんや。当然警察や駅員が遺体の回収をするやろ。列車事故やから遺体はばらばらや。それをひとつひとつ拾って回収するわけなんやけど、どうしても首から上だけが見つかれへんねん。半日かけても見つからんということで、警察や駅員もあきらめたんや。その首はな、1週間後に踏切から200メートル以上離れた民家の庭で発見されたんや。首だけ昼間の人通りの多い駅前の道の上を飛んでいったんやで」
ま「…。」
飛「…。」
浅「他にもな、この野方の踏切では恐ろしいことがたくさん起きとるんや。ある時な、若い女性が電車に轢かれてもうたんや。その女性の体はおへその部分からまっぷたつに別れてもうてん。ところがな、事故が起きてから10分以上たってから現れた救急隊員にこのへそから上だけの女性は『ごめんなさい。ごめんなさい』って言って謝ったっていうねん」
ま「キャーー!!!」
浅「なんや?ましゅまろちゃん怖かったんか?」
ま「大変です!!誰か、誰か来てください!!浅野が去年と同じ話をしています!!」
浅「それは最初に言ったやないか!!」
飛「これは間違いないぞ!!浅野は去年の浅野に取り付かれている!!」
浅「どないやねん!!」
ま「早くー!!もち米と鶏の血を持ってきてー!!」
浅「持ってきていらんわ!!」
飛「ましゅまろちゃん、落ち着いて!!もう大丈夫。浅野の徐霊のために『ごきげんよう』月曜日でおなじみの、守護霊占いのモナミ先生を呼んできたから」
浅「呼んでくんなや!!ギャラは誰が払うねん!!」
モナミ「取り付かれてるのはどちらのお方ですか?」
ま「この詐欺師のような顔をした関西弁のまやかしで生きている男です」
浅「おい!!」
モナミ「ああ、この詐欺師のような関西弁のまやかしで人生を歩んできた方ですね?」
浅「お前も繰り返すな!!」
モナミ「ネンピカンノンリキネンピカンノンリキネンピカンノンリキ」
 バタッ!!
浅「おい!倒れてもうたで!」
ま「モナミ先生、今日はイーストボーイの靴下ですね」
浅「靴下なんかええねん!!」
モナミ「ん?ここはどこだんねん?」
ま「浅野の守護霊のあなたは誰ですか?」
モナミ「わい?わいはな伝説の漫談家、龍前寺清彦でおまっせ」
飛「龍前寺さん!!どうか浅野がまっとうな生き方ができるようにしてください!!」
浅「…大きなお世話や」
モナミ「♪あさのっ!あさのっ!あさのっ!空から飴玉降ってきてっ!今日の天気はっ!晴れ時々飴でっせ〜!あさのっ!あさのっ!」
 バタッ!
ま「守護霊さまが帰っていきました」
浅「お前ら遊んでるだけやないか!!」
飛「だめだ…」
ま「そうね。残念ながら浅野から去年の浅野を徐霊することはできなかったみたいね」
浅「なんでやねん!!」
ま「だって、去年の浅野も『なんでやねん!!』って言いまくってたもん」
浅「…。」