浅野ケンジ「お〜い。ましゅまろちゃんと飛鳥さ、ちょっとこっちへ来て座ってくれるか?」
ましゅまろちゃん「ごめん。今、安売りのメロンパンを買いに行くところで忙しいんだよ」
浅「ええよ。それやったら俺が高級なやつ買ってやるから」
飛鳥どれみ「浅野ごめん。今日はぼくライブなんだよ」
浅「ないわ。お前がライブの時は俺もライブやねん。ええから、ふたりともここに座れ」
ま「何?この横暴な態度」
浅「黙れ!ええか?今から、日曜日にあった、天皇賞(秋)の着順を発表するで。1着シンボリクリスエス。これは俺が予想してた馬やな。まあ、レコードタイムでけた外れの強さだったわけや。そんでもって、お前らの予想してた馬はやな、2、3、4…あれ?あれれ?おらんで。あ、あったわ!16着モノポライザー、17着アグネスデジタル。あれ?アグネスデジタルの後には1頭しかおらんで?あ、そうか、18頭しか走ってないんやから当たり前やな?はは!ははははは!!」
ま「何が言いたいのよ…」
浅「まあ、あれや。18番枠の馬を当てるのは俺のオハコなわけやし、あんまり俺ばっか当ててもなんやから、もう予想はよそうか?っちゅう話しやなあ!!」
ま「ねえ、浅野さ、ちゃんと新聞とか見て言ってるわけ?」
浅「当たり前やないか!!世界中どの新聞を見たってシンボリクリスエスが1着や!!」
飛「インドの新聞に天皇賞のことが載ってるとは思えないけどな」
浅「知らん知らん!!日本の新聞でじゅうぶんや。とにかく俺の予想が当たって、お前らはクソハズレやったという事実のみや」
ま「あのね、浅野さ、このシンボリクリスエスに乗っていたぺリエ騎手のコメント読んだの?」
浅「ああ、読んだわ!『強すぎて馬に乗っているというよりも空を飛んでいる感じだった』ってやつやろ。どうやお前ら?空飛んどるんやぞ?」
ま「競馬予想なのに馬以外の動物予想して楽しい?」
浅「は?」
飛「飛んでるなんて100パーセント馬じゃないからね。ファルコンだよきっと」
浅「な、なにを…」
ま「走って勝負しないなんて、恥ずかしいと思わないの?しかもそれ当てて喜んでる自分が惨めにならない?」
飛「無駄だよましゅまろちゃん。それに気付いていれば最初からこんなばかなことはできるはずがないんだ」
ま「でもさ、普通、良心の呵責に苛まれるとか、そういうもんじゃないの?」
飛「まあ、そうなんだけどさ、浅野は子供相手にも本気で殴り合いのケンカをするような人間だから。ある意味、かわいそうでもあるんだよ」
ま「そうか。浅野はかわいそうだね」
飛「おい、浅野。お前の予想した馬が1着だったてことでいいよ」
ま「おめでとう!浅野!」
浅「…。」