発車します

ましゅまろちゃん「最近のさ、駅の発車ベルの曲って凝ってるよね」
飛鳥どれみ「そうだな。おれらが若いころは駅員が地声で叫んでたもんな」
ましゅ「は!?何時代よ?」
メイシー「私や飛鳥が学生だったころは満州事変があったときで、通学途中に柳条湖で脱線したり」
飛鳥「あのときは参ったな!スイカのチャージがまったくできなくなるし」
メイシー「宣統帝溥儀がキヨスクで冷凍ミカン万引きしてネットをセッケン袋にしたり」
ましゅ「だまれ!!時代背景もフリもオチも何もねえよ!!」
メイシー「んで、何がどう凝ってるの?」
ましゅ「そうそう、山手線の恵比寿っていう駅あるでしょ?あの駅の発車ベルの曲って『ヱビスビール』のCMの曲なんだよ。昔の映画の曲だっけ? ♪チャンチャチャンチャチャン〜はいヱビス、ていうやつ」
飛鳥「この前、タ方に行ったら駅員がもうべロンベロンだったよ」
ましゅ「発車するたびに飲むか!!山手線だぞ!!肝臓いわすわ!!」
メイシー「JRって運賃高いでしょ?」
飛鳥「ちょっと贅沢な切符です」
ましゅ「うまく言ったみたいな顔すんな!ふたりで」
メイシー「でもさ、他にもあるよ。高田馬場駅の『鉄腕アトム』の曲とか」
飛鳥「♪山手線〜ラララ星のかなた〜」
メイシー「御茶ノ水駅しか停まらないのよね」
ましゅ「他の駅通過してどーすんのよ!!山手線は全部各駅だよ!!」
飛鳥「いや、これは御茶ノ水駅には山手線は通ってないってボケだろ?」
メイシー「うん。ましゅまろちゃんは何を言ってるんだろう?」
ましゅ「うるさい!!」
飛鳥「最近そういう発車ベルって多いけどさ、不評でやめたところもあるんだよ」
ましゅ「ふーん」
飛鳥「神奈川県のJR茅ヶ崎駅なんだけどさ、茅ヶ崎サザンオールスターズの出身地っていうことでサザンの『TSUNAMI』っていう曲にしたんだけど、不評ですぐやめた」
ましゅ「なんで?」
飛鳥「だってさ、ドアーが開いて」
ましゅ「ドアーって・・・」
飛鳥「開いた瞬間に降りてくるサラリーマンと、ホームで電車を待ってたサラリーマンが正面で向かい合うだろ。そして目と目が合った瞬間 ♪見つめあ〜うと〜素直に〜おしゃ〜べり〜できない〜、だぜ?」
ましゅ「はあ?」
メイシー「ひと目逢ったその日から、恋の花咲く時も」
ましゅ「ねえよっ!!!」
メイシー「じゃあ私たちが色々な駅の考えてあげようか?」
飛鳥「そうだな」
ましゅ「やめといたほうがいいと思うよ・・・」
メイシー「横浜駅横浜銀蝿ね」
ましゅ「うわぁ・・・いきなりいっちゃったよ。曲じゃなくてバンド名だし・・・」
飛鳥「さあ皆さんご一緒にー!! ♪今日ーも元気にドカンを決めたら」
メイシー「♪桜木町で〜」
飛鳥「♪たそがれ〜」
メイシー「♪ブル〜ライト横浜〜」
ましゅ「やめろやめろ!!!何曲もあるじゃんか!!混乱して発車できるか!!」
飛鳥「いいんだよ。横浜駅はJRと東急東横線相鉄線京急と地下鉄と、人力車まであるんだから」
メイシー「あと秋葉原駅は間違いなく『ネコミミモード』ね」
飛鳥「新宿駅椎名林檎の『歌舞伎町の女王』だな」
ましゅ「あっ!それはいいかも。『歌舞伎町の女王』のイントロは発車ベルの曲にしたらカッコいいかも!」
飛鳥「は?何言ってんの?使うのは最後の ♪じょ〜う〜・・おぁおう〜〜〜・・・、の部分だよ」
ましゅ「それじゃ ♪サッポロ〜、みたいで“焦って乗らなきゃ感”がまったくないじゃない」
飛鳥「サッポロ?恵比寿駅のヱビスの話ししてるんだよ?」
ましゅ「ヱビスはサッポロの会社のビールだよ!!!」