ネコもシャクシもウェブログ

今日、NHKでブログの番組をやっていました。ブログはもうだめな気がします。ブログは、基本的には昔からあるPOPOIのような日記サイト(ウェブ日記)と変わりありません。ただ、見る側としては、日記サイトの場合、そのサイトにリアクションをおこしたい場合、わざわざ日記のぺージから掲示板のぺージを開く必要がありました。これはたった一手間ですが、例えばただ「おい!」とか書くだけということを許さないカベでした。掲示板に「おい!」と書いても、何日の日記に言っているのかわかりません。決果、「○○日の××はよくない」みたいな書き方しか成立しません。これは重い。
また書く側も過去ログを自分でまとめる必要もありました。CGIBOYみたいなレンタル日記サービスもあったのですが、どうしてもレンタル日記は「格下」の風ちょうがありました。実際レンタルのブログができる前の日記サイト時代にヒットした日記サイトは、みんな自分でCGI接置したものでした。CGI接置はパソコン初心者には難しいものです。それゆえ、おもしろい内容プラス、パソコンの知識がある者だけが注目されていました。
そこにブログがやってきました。最初はブログもCGI接置するものだったのですが、あっというまにレンタルブログが普及しました。
ブログはそれまでの、見る側と書く側の問題を一発ですべて解決しました。ひとつの記事に対してコメントできるので、ただ「おい!」と書くことが可能になりました。書く側は、アーカイブといって、勝手に過去ログがまとめられます。
さらに最大の特徴はトラックバックという機能です。同じことがらについて書いているブログに対して、こちらから一方的にトップぺージにリンクさせる機能です。ホームページを公開している場合、たいていアクセス数が多い方がいいはずなので、わざわざ相互リンクを頼んだりしなくてすむぶん、有名なサイトと今日書き始めたブログとの距離を格段に接近させました。接近することは競争というか切磋琢磨につながります。
このように、あらゆる面で従来の日記サイトよりもブログのほうがすぐれています。ブログはコメントやトラックバックの機能をオフにすれば日記サイトと同じ使い方もできるのですから、当然のことです。


ここで話が随分ずれるのですが、奈良の幼児誘拐殺人の小林薫のような異常性欲者とか性的倒錯者というのは脳の畸形のような、生まれつきの原因だけではなく、場合によれば、世界中の全員にそうなる可能性があるという説があります。心理学とか精神分析に「リビドー」という言葉があります。リビドーというのは人間の性欲を動かすきっかけを与えるエネルギーのことです。人間は他の哺乳類、例えば馬や鹿が産まれてすぐ立ち上がるのとは大きく違い、産まれてから身体がおとなになるまでが異常に遅れて設定されています。人間が産まれてから生殖能力がそなわるまでは最低でも10年はかかります。ところが脳は地球上のどの生物よりも圧倒的に大きく、したがって、意識の発達は(他の動物のことは推測ですが)他の動物より早いのです。つまり、生殖能力のないうちに人間は最初のリビドーを受けることになります。動物はここが一致しているのですが、人間はどうしてもここに数年のずれが生じます。このずれが、全人類に小林薫宮崎勤酒鬼薔薇聖人、てるくはのる、宅間守、になりうる可能性を内在しています。動物はリビドーと種の保存が結びついているので、リビドーはそのまま雄と雌が子孫を作ることにつながるのですが、生殖能力のない人間が初めて激しくリビドーを揺さぶられるときは、まったく種の保存とは関係ないことがらになる可能性があります。人間が初めて感じるリビドーは、生殖能力のない時期なので、それは性的な事柄と切り離されています。切り離されているというか、切り離されていると思わざるをえません。そうしなければ、初めてリビドーに突き動かされた人間は、そのはけ口を見つけることができません。性的な満足をえることができる肉体を持っていないのだから、実際には切り離されていなくても、切り離されていると思い込まなければ、自分の無力さに対する屈辱感で、人類はとっくの昔に絶滅していたはずです。そこで人類はなんとしても種の保存を守るため、様々なタブーを作り出しました。子孫を残すため以外の性行為は、まともな人間のワザではなく、タブーを犯すことになる、と決めたのです。人間は初めてリビドーを感じるより前に、タブーを教育され始めます。人を殺してはいけない。他人のものを盗んではいけない。家に火を放ってはいけない。

しかし、いくらタブーを作ろうが、人間の肉体がが性的満足をえることができないうちに、人間が初めてリビドーを感じることは変えることのできない事実です。それゆえ人間はそれが性衝動であることに気付かないまま、ある日突然リビドーを動かされます。それは、テレビに映し出された映画の殺人シーンであったり、親の財布から小銭を盗んだときであったり、たまたま近所で火災がおきたのを目撃したときだったりします。しかし、その押さえがたい興奮を、そのまま実行したら、やはり人類は滅亡してしまいます。しかし、その興奮を吐き出すための肉体もありません。そこで、様々なタブーを設け、無理矢理納得させる方法をとったのです。そして、成熟した肉体を持つまでの数年間の期間に、徹底的にそのタブーを信じ込ませ、屈辱感からまぬがれ、社会秩序を守ることによって人類の滅亡を防ぐことに成功しました。


ブログは人間の性衝動と似ています。ブログが出来上がって普及していった過程の詳しいことはわかりません。でも、たぶんアメリカでムーバブルタイプという日記サイトのCGIが開発されて、それには最初に言った、コメントやトラックバック、さらには、他の人々が思いついたアイデアやプログラムを追加できる「プラグイン」という機能が付いていました。これは繰り返しになりますが、「おい!」を可能にし、さらに自分のアイデア次第でいくらでも、その日記サイトをカスタマイズできるものです。当然のごとく、パソコンに詳しい日記サイトの執筆者はKENT WEBの日記CGIからムーバブルタイプへ移行していきます。パソコンに詳しくなくても、簡単にウェブ日記を書けるシステムをレンタルしていた、レンタル日記サイトも本当にあっという間に、1年もかからず、ほとんどすべてが「レンタル日記」から「レンタルブログ」に移行しました。レンタルブログは今までのように「パソコンの知識と文章を書く才能」がなければ仲間入りできなかった、テキストサイト(文章を読ませること、その文章の更新をメインとしているサイト)を完全にボーダレス化してしまいました。
今、この「あほ新聞」を読んでいるあなたが、ブログを始めたいとしたら、例えば、Exciteというサイトにアクセスして、無料でメールアドレスを取得します。その後、ライブドアブログにアクセスして、Exciteのメールアクセスで登録すれば、たぶん所要時間5分くらいでブログを開設できます。
開設すれば、ライブドア社長の「ホリエモン」から人気タレントの「眞鍋かをり」、『五体不満足』のベストセラー作家「乙武洋匡」、この世で最高の芸人であると思われる女子プロレスラー広田さくら」や、人気作家の「室井佑月」、そして、男性には有名な「夏目ナナ」や「夢野まりあ」などなど、数え上げたらきりがないスーパースターから普通の主婦まで、あらゆるブログにコメントやトラックバックをできるのです。

続く