見え方

富士山は日本でいちばん高い山で、標高3776メートルあります。静岡県山梨県のふたつの県にまたがっています。
知人が山梨県の河口湖に行ったとき、タクシーの窓から富士山を眺めていると、運転手さんが、
「お客さん、富士山、思ったより小さいでしょ?」
と聞くのだそうです。そう言われると、確かに東海道新幹線の車窓から見える富士山より小さいような気がします。でも、新幹線から見る富士山の方が、富士山との距離が離れていて遠くにあり、河口湖から見る富士山の方がすぐ近くにあるのです。だからどう考えても河口湖から見える富士山の方が大きく見えるはずなんです。でも実際には小さく見える。運転手さんは、
「この富士山は高さが2776メートルなんだよ」
と言いました。富士山の標高は3776メートルです。もちろん富士山はひとつしかありません。
つまり、今、タクシーに乗っている場所が既に標高1000メートルあるということなんです。



自分のステージが上がっていくと、近くにあって、より大きく見えるはずのものが、小さく見えてしまうということが、結構多いと思います。
でも実際には変わらず大きなものである訳で、錯覚にとらわれず、いつでも冷静に物事を見ることが大切だと思います。
富士山には私はどんな大きさに見られているでしょうか?