ねぎ

asukadoremi2003-01-08

今日うどんを食べたらねぎが入っていて、とあるできごとを思い出しました。
昔所属していた事務所の社長にしゃぶしゃぶを食べに連れていってもらった時のことです。
社長はしゃぶしゃぶが出てくるなりいきなり自分の受け皿のポン酢の中に生のねぎをどぼんと入れだしたのです。そのねぎはいわゆるワケギとかみたいに刻んであるやつではなくて明らかに鍋の中に入れるぶっといやつです。
一緒にいた漫才師の数人の右手がぴくっと動いたのがわかりました。しかしいくらボケているとはいえ社長は社長。我々に仕事をくれる人です。むげに頭をはたけるはずもなく彼らの右手は肉やタバコへ向かいました。社長はそのままビールをひとくち飲み「おまえらみたいな無名の芸人でも舞台に立っとる以上お客様に夢を売っとるんや。せやからタバコを買いに行く時でもねぐせをなおしてひげをそって行かなあかん」と言いました。その間約10秒。その場にいた全員の思考はまずこのねぎを入れた行為は意図的なボケなのか天然なのかというところへ向けられました。しかしそのあまりに自然な素振りは天然以外ありえませんでした。しかし皆を困惑させたのはその次に必然的にやってきた思考でした。「おれも生ねぎをポン酢に入れるべきなのか?」皆そんなぶっとい生ねぎを食べたことはありません。もし辛くてむせてしまったら余計ことをあらげて社長に恥をかかせるのではないか?ああ、やっぱり最初につっこんでおくべきだったのか?そんな我々の心配をよそに社長は「おまえら肉食わんかい。わしからむしらんと誰からむしるんじゃ」と悦に入り出しました。ひとまず我々は肉を食ってねぎは白菜と同時に鍋に入れながら事なきを得ました。
悲惨なしゃぶしゃぶでした。