フェティシズム

今日突然自分のお笑いの根幹を占める主義についてかなりしっくりくる言葉を発見しました。「フェティシズム」です。日本語では「呪物崇拝」と言います。何かの物体に呪力が宿るとして崇拝する原始宗教の形式のひとつです。そこから派生して、男性の筋肉に魅力を感じる女性を「筋肉フェチ」とか、女性のうなじが好きな男を「うなじフェチ」とか呼んだりして、現在はアダルトな方面で使われることが多いみたいです。まあ、とにかく一般には魅力や性的興奮を感じないものに対して執着することを言うみたいです。ご存知のとおりインターネットには膨大な数のアダルトサイトが存在しています。その中でもフェティシズムサイトばかり集めたリンク集というのもあるんです。そのリンク集の中でも目立つのが「眼鏡フェチ」サイトです。眼鏡をかけている女性が好きな人が集まるサイトなのですが、眼鏡は女性の肉体でも精神でもないのでまさしくフェティシズムの正しい在りようです。しかし、じつはこんなものはフェティシズムの入り口にしかすぎないんです。なんと世の中には「巨大化フェチ」なるものが存在します。この「巨大化フェチ」のサイトにはゴジラウルトラマンが破壊した街に普通の女性が巨大化したものを合成した写真が載っています。この合成写真を真剣に作っている人がいて、それを見て辛抱たまらん人間が世の中には存在するんです。当人たちは真剣なんですが、はたから見ればかなり笑えますよね。これがフェティシズムです。
ぼくはホラー映画が大好きで、学生のころはホラー仲間と酒を飲みながら映画について真剣に語り合っていたんです。その中でたびたび登場したのが『オーメン』という映画の、神父が上から落ちてきた避雷針に串刺しになってしまうシーンです。神父は避雷針が落ちてきていることに気づいていて「おー!!」とか言っている間に串刺しになってしまいます。普通、横に1メートルよければいいだけの話しなんです。でも友だちのひとりはこのシーンにあまりに感動してしまって画用紙いっぱいにこのシーンの絵を描いてしまいました。これがフェティシズムです。
海部元首相は自分の師匠である三木元首相をまねて、みずたま模様のネクタイしかしませんでした。これがフェティシズムです。
さかなくんは刺身の切れ端をひとくち食べただけで魚の種類を当てます。これがフェティシズムです。
いかりや長介は10分以上のコントを撮影しておいて、最後の自分の「だめだこりゃ」が決まらない時は何度でも撮り直しをさせました。これがフェティシズムです。
すみません。最後のいかりや長介の話しは嘘です。なんとなく思い浮かんだから言ってしまいました。長さんわりー。
とにかくフェティシズムははたから見ると笑えるんです。
なんとなくぼくのネタはみんなこのフェティシズムが少なからず影響しているっぽいです。これは占める割合の問題ですべてのお笑いにはフェティシズムが関係してきているような気がします。松村はあんなに野球選手のモノマネが上手なのに巨人の選手のマネをしているところは見たことがありません。
というわけでこれからは「フェティシズム」というキーワードの元にネタを作っていくことにしました。
なんてかっこいいことが言えるように頑張ります(もう言ってんじゃん)