偉くてボケている

長嶋茂雄さんといえば野球のことをまったく知らない人でもすぐに顔が思い浮かぶというプロ野球界最高のカリスマです。長嶋さんといえばその行動や発言の天然ボケっぷりが特徴です。息子の一茂を野球場に忘れてきたり、60歳になった時に「わたくしもはじめての還暦を迎えまして」と言ったりしたことは有名です。そりゃ120歳になれば2回目の還暦を迎えることになるんでしょうが、なかなか「迎える気満々発言」をする人はいません。
この前テレビで巨人対阪神戦を見ていたのですが、その時解説をしていた長嶋さんがまたもやすさまじい発言をしていました。その日の阪神のピッチャーは伊良部だったのですが、その伊良部の投球に対し長嶋さんは「今日のいらべの投球はいいですねえ」と言っていました。「伊良部」は「いらぶ」と読みます。たしかに「いらべ」とも読めますが、伊良部は野球界では相当有名なんですよ。長嶋さんが知らないはずがないんです。どうやったらそういう間違え方をしてしまうんでしょうか?アナウンサーともうひとりの解説の荒木大輔さんもその発言の後しばらく無言になっていました。だって長嶋さんの方が偉いから笑うわけにもつっこむわけにもいかないんです。かといってその発言の真意をいくら考えても答えはないんです。明らかに「いらぶ」を「いらべ」と間違えてしまっているだけなんです。
「ぶ」と「べ」の間違えひとつとっても、やはり天才の発言というものは新鮮な驚きに満ち溢れています。