学生運動と2ちゃんねる

ましゅまろちゃんはまだ生まれてなかったんであんまりよく知らないんですが、1960年代から70年代にかけて、学生運動といって、大学生が革命を起こそうとしたり、それに反対したりして、デモやけんかをしまくっていました。もちろんその当時でもそんなことには興味のない人もたくさんいたと思うのですが、結構たくさんの若者が、思想について大真面目に考えて、議論しまくっていたみたいです。
今の日本にはそんな若者はいません。と思っている人が多いと思います。ところが、いるんです。どこにいるかというと、インターネットの「2ちゃんねる」というサイトです。「2ちゃんねる」はテーマ別の掲示板がたくさんあるサイトで、誰でも自由に掲示板に書きこむことができ、それぞれのテーマについて白熱した議論が繰り広げられています。しかも「2ちゃんねる」には匿名で書き込むことができるので、お手軽なわけです。
多分、学生運動と「2ちゃんねる」が若者に流行したところの根底には同じものが流れている気がします。自分の考えを、みんなにわかってもらいたい、というか押し付けたい、そのために理論的に自分の考えを述べるというやつです。でも、ほとんどの場合、人間の考えというのは自分のエゴからきているわけですから、どんなに討論したって、合いいれるわけがないんです。そこでどんどん討論が白熱していきます。関係ない第三者は、他人のけんかを見るのは楽しいから、横からどんどん煽ります。学生運動でデモ隊同士やデモ隊と機動隊が衝突しているところには、ものすごい数のやじ馬学生が集まっていたらしいですし、「2ちゃんねる」での討論だけをピックアップして紹介するサイトも人気になっています。またそういうところには、わけのわからない「シュール」な連中が必ず現れます。1969年の早稲田大学の卒業式に乱入したノンセクト・ラジカルの「黒ヘル」部隊は、会場に入ってくるや爆竹と発炎筒を会場中に投げて、会場を轟音と煙に包み、生卵を投げまくったうえに、生きたニワトリを何羽も会場に放ったらしいです。「2ちゃんねる」にもかなりの数の、わけのわからない、意味不明の書き込みがされています。私がいちばん笑ったのは、他人の書き込みにいちいち「お前、本当は女だろ?おれとつきあってくれ」と書き込んでいたものです。何がなんやらさっぱりわかりません。
しかもこういうものは、結局、最終的にはたくさんの「破綻者」を出して下火になっていきます。「2ちゃんねる」の人気はまだしばらく続きそうですが、学生運動が「日本赤軍」みたいなテロリストを生み出したみたいに、「2ちゃんねる」も、「西鉄バスジャック事件」の犯人や、「猫殺し生中継」の犯人を「輩出」しています。
まあ、とりあえず、そういうところへ打って出る時は、「2ちゃんねる」は匿名掲示板ですが、自由である代わりに、本人も気がつかないうちに責任が発生しているので、気をつけたほうがいいです。


2ちゃんねるhttp://www.2ch.net/