お姫さまになりたい

ましゅまろちゃん「はあ…」
浅野ケンジ「どうしたんや、ましゅまろちゃん? ため息なんかついて」
ま「あなた誰?」
浅「おい!大丈夫か? 俺や!浅野や!」
ま「うるさいな。知ってるよそんなこと。知らないふりすれば、どっか行ってくれるかなって思ったんだよ」
浅「なんやと、こら!!」
ま「秋って物悲しい季節よねえ…。なんか、物思いにふけっちゃうのよ。ロマンが微塵もない『ロマンみじんこ』な浅野には関係のない話よ」
浅「なめとんのか!ロマンで生きてる俺によくそういうことが言えるな。とりあえず聞かせてみろや」
ま「うん。私ね、お姫さまになりたかったんだよ」
浅「あっそう。はいはい。そりゃよかったね」
飛鳥どれみ「わかる!!ましゅまろちゃんの気持ち、よーくわかるよ!」
浅「なんや!急にでかい声出すなや!驚くやないか!」
飛「ましゅまろちゃんはお姫さまになりたかったんだね?」
ま「うん。わかる?」
飛「わかるさ。ぼくは小さいころ殿様になりたかったんだ」
浅「まてまて!!百歩ゆずって、女の子がお姫さまになりたいのはわかるとしよう。でもなんや殿様って!!なに時代や?」
飛「だめだこいつは。話しにならない。ほっとこう」
ま「そうね。お姫さまとか殿様って優雅でいいのにね」
飛「ましゅまろちゃんは、お姫さまでいうと何系がいいの?」
ま「やっぱ、ブルボン王朝系とかハプスブルグ家系がいいな」
飛「ああ、わかるわかる!ベルサイユ宮殿とかマリー・アントワネットとか優雅だもんね」
ま「そうそう!飛鳥は? どんな殿様系?」
飛「断トツで加賀百万石だな」
ま「いいねー!!金沢の町は曲がり角がたんとあるがや」
浅「ちょっと待てや!!優雅の基準はそれでいいんか?」
飛「いいんだよ!!黙ってろ、てめえは!!」
ま「おしっこだって優雅なんだよ」
浅「はあ?」
ま「お姫さまはスカートがでかくてまくれないから、立ったままするんだよ。レディたちと社交界の話しをしながらさ」
浅「立ちションは優雅なのか?」
飛「殿様のおしっこも優雅だよ。大名行列とかでカゴに乗ってる殿様は、おしっこがしたくなったら『しと筒係り』を呼ぶんだ。しと筒係りはカゴの中に長い竹の棒を差し入れて、そこでするという」
ま「優雅ね!」
飛「そうだろ? でもぼく、それで殿様になる夢、あきらめたんだ…」
浅「なんでやねん?」
飛「日本に主に分布している竹はモウソウ竹なんだ。それではおれは収まらない」
浅「はあ!!」
飛「モウソウ竹では俺自身のサイズが収まらない」
浅「アホかお前!!散々、優雅がどうしたとかお姫さまとか言っといて、結局、下ネタか!!情けないわ!!」
ま「浅野は?」
浅「俺は石油パイプラインでも足らんわ!!」
飛「そりゃ、出すぎだろ?」
浅「もうええ!もうええ!ばかばかしくなってきたわ!ちょっと便所行ってくるわ」
飛「おい!浅野!忘れ物だぞ!」
ま「はい。ストロー」
浅「…。」