今日はネタ見せです。あと数時間したら、バイトに行って、それが終わったら、速攻で電車に1時間以上乗って、中野に行かなければなりません。ぼくの年齢は27歳です。10代のころにくらべれば確実に徹夜とかに弱くなっています。だから寝なければいけません。でもね、ぼくの部屋にはあしたの舞台衣装がハンガーにかかっていて、ネタ帳が手もとにあって、出囃子のCDがあるから、あれば聞いてしまうでしょう?一流の芸人はここで眠れるんだと思います。「眠れる」ということは一流と三流を大きく隔てる壁です。人間は眠らなければ頭がおかしくなってしまうのだから、24時間移動と仕事を繰り返す一流芸人は、必ずどこでも眠れる才能を持ち合わせた人々のはずです。でもね、ぼくは「インディーズ芸人」だから、眠れるわけがないんです。
そうすると、こんな深夜は色々思いにふけるのです。
私にはお笑いを続けている理由があります。普通の感覚でサンミュージックナベプロトゥインクル人力舎といった事務所に所属して、テレビに出て、売れっ子になるためには、そうなりたいなら、私は今みたいなスタンスをとらないよ。事務所に所属している芸人とフリーの芸人は結構たくさん同じライブに出演しているので、お客さまにはちょっとわかりにくいかもしれないのですが、芸人なら、ごく一部の癌みたいな芸人を除いて、全員にわかることです。芸人には誰にでも必ず目標があるんです。例外なく。それは日本でいちばん納税額が多い芸人になることかもしれないし、爆笑オンエアバトルでチャンピオンになることかもしれない、たったひとりのお茶子(スタッフ)を微笑ませることかもしれない。
私にだって夢がある。その夢のためにお笑いをやっているんです。私は、自分の夢がお笑いというとても素敵なワザであることが、偶然なのに、偶然だからこそ、とてもありがたいと思います。この時点ですでに私はとてもラッキーなのだから、必ず、必ず、夢はかなえるよ。
んじゃ、ズボンにアイロンでもかけて、バイトが始まるのを待ちます。