宮崎アニメの位置

「萌え」という言葉がいつどのようにして生まれたのか、本来の意味は何をあらわしているのかというのは、よくわかりません。おそらくそれは、アニメやテレビゲームなどのいわゆる「オタク文化」の中から自然発生的にできた専門用語というか隠語みたいなものが、一般に定着したものだと思います。パソコンのキーボードの変換ミスから発生したという説もあります。そういう「萌え」を中心としたアニメの文化の中で、宮崎監督の作品は、その「萌え方向」とは対極の位置にあるように思われがちだと思います。『千と千尋の神隠し』でアカデミー賞長編アニメーション部門を争ったのは『ファインディング・ニモ』という海の生き物たちが主役の物語です。

続く