デモ

アメリカやイギリスのイラク攻撃に対して反対するデモが日本でも起きていますね。ぼくはこれにはどうも違和感があります。もちろん戦争はしない方がいい。そんなことは当たり前です。
ただね、例えばですよ、家族でも近所の人でもかまわず殴るおっさんがいたとします。家族や近所の人は困っているんですがおっさんはすぐ殴るんで怖くてどうにもできません。ある時おっさんは金属バットを手に入れました。現時点ではまだおっさんは金属バットは使っていません。
そこで誰かが警察へ相談に行きました。警察はおっさんに金属バットを提出しなさい、と言います。あなたはかつて隣の家がうらやましいという理由で隣の家の人を殴ったことがあるから金属バットは持ってはいけないことになっています。しかしおっさんはプラスチックバットや竹刀を提出して、肝心の金属バットはいつになっても提出しません。
そこでこの近所とも家族とも関係のない強い人がやって来て力ずくでおっさんから金属バットを没収しようとしました。当然強い人とおっさんはけんかをするわけですから近所や家族にとばっちりでけが人が出ることは予想されます。しかもこの強い人は昔おっさんがけんかをしていた相手が嫌いだったから、おっさんに金属バットを売った張本人です。
さて、あなたならこういう状況があったとしたらどう思います?
多分、おっさんが自ら改心して殴らなくなるのがいちばんいいですよね。でもそれが無理とわかったら、警察に話し合いで金属バットを没収してもらうのがいいですよね。それでもおっさんは結局金属バットを手放さなかった。そしたら警察が力ずくで取り上げるべきですよね。しかし警察の中には「いつまででも話し合え」という意見もあるため力ずくはできないことになってしまいました。
ここで警察ではない者が力ずくで取り上げていいものかどうかということが、今回のイラク攻撃がいいものかどうかということなんだと思います。
ぼくはいつまででも話し合っていたらその間の家族や近所の人はつらいと思う。多少のけが人が出てもいいから、かつて金属バットを売った本人でもいいから、力ずくでおっさんを捕まえてもらいたいと家族や近所の人たちは思うと思う。そうしなければおっさんはますます暴れる範囲を近所から街中へとどんどん拡げていきますよ。
まあ、もちろんこれは殴るとかバットとかのレベルでの例ですから、戦争とは違いますが、基本的にはそうなんではないかなと思います。
でももちろんアメリカやイギリスは精密に軍事施設だけを攻撃してできる限りイラクの一般市民の被害を減らさなければいけないし、戦争特有のテンションというかハイになってしまった兵隊が残虐行為をしないように管理する義務があるのは当然ですが。