コイン

この前もゲーセンの話しをしたので、そのついでなんですが、みなさんはゲーセンのコインゲームをやったことがあるでしょうか?ゲーセンによって値段は違うのですが、500円で30枚とかのコインを買って、パチンコやパチスロ、ポーカーや競馬やビンゴとか、色々遊べます。もちろん勝てばコインがたくさん出てきてきます。パチンコに飽きたらビンゴをやるということもできるのでとても楽しいんです。
ところが、このゲーセンのコインゲーム、勝ってコインがいっぱいになっても、それだけなんです。景品にも交換できなければ、他の店でそのコインを使って遊ぶこともできません。これが普通のパチンコ屋とかなら経済効果もあるんです。パチンコで勝てばそのお金で何か買ったりするし、負けても悔しくて電柱を蹴ったとすればエネルギーを消費するのでお腹が空いて食べ物を買います。とにかく、店にお金が入ったり出たりするのだからお金が動いて景気の上向きにつながるんです。でもゲーセンのコインは最初に買うところだけの経済効果なんです。その割にはむやみに照明とかが派手なんでエネルギーの無駄遣いでもあります。早い話し、いくらコインが出ても意味がなんですよ。1000枚コインが出たとしても、店員がカウンターのところからゲームの台まで1000枚のコインを持って行ってまた持って返ってくるのと同じなんです。でもなぜかコインを増やしたくなる。だからみんな本気で打つ。そうすると本物のパチンコとかより設定も釘も甘いからどんどん増える。でもそれはコインが増えてるんじゃなくて、その店に預けてあるコインの枚数という数字が増えていっているだけなんです。でもそんなことは関係なく数字だけがどんどん増えていく。膨脹していく恒星のようにいたずらに肥大し続けるんです。そして打っているほうもただ増やし続けようとするんです。しかし、ある時点で突然我に返るんです。「私は何をしているんだ?」そしてぱったりとコインゲームをしなくなります。コインを預けられる期間をすぎても放っておいてしまいます。肥大しすぎて自らの重力で自分の出す光を吸収してしまうブラックホールのような空虚な静けさが訪れます。
これでワンクール。最初の500円分だけゲーセンがもうかります。多分1日にこの恐怖のワンクールのスタートを切る人が100人くらいいるからゲーセンのコインゲームのコーナーはつぶれないんですね。ぼくなどは子供のころから数えればもう1000クール目に突入していますよ、きっと。