桜井章一

昭和40年代に活躍したマージャンの名人の桜井章一という人はなんと20年間無敗だったらしいです。それも街の雀荘でサラリーマンと打つマージャンでも、やくざや政治家といった国を牛耳る人たちがそれぞれ自分の見つけてきたマージャン名人に何億を賭けて打たせるマージャンでも勝率100パーセントでした。これはちょっと信じられないことです。マージャンは実力プラス運のゲームなので、20年間もその時たまたま運のいい人に出会わないわけがないんです。しかし桜井章一はいわゆるイカサマ技をたくさん持っていたので、それを使えば普通の相手ではあっという間に勝てました。しかし、敵も桜井のようにイカサマ技も実力もある場合、運のある者が勝つんです。運なんていうものはたまたま来るものだと思うんですが、どうも桜井はこの運すら操作していたらしいです。運が自分に来ているときには点数の高い役で攻撃しまくり、来ていないときはひたすら運が来ている敵があがる前に安い役で相手に攻撃をさせないようにします。その運の流れを読むのが勘です。時々寝るときにあわせた目覚ましの時間の3分前に起きることってあるじゃないですか?あれは次の日がテストとかで集中しているから勘が鋭くなっている、というのが桜井の説です。桜井は毎日その練習をし、100パーセントの確率で3分前に起きれるようになりました。
これはお笑いの世界にもちょっと共通するところがあります。イカサマ技は持っているネタの数であり、実力はタイミングや間といったものです。しかしそれがパーフェクトなはずの横山やすし・西川きよしダウンタウンといった人たちでも滑ることがあります。それはその日が雨だったからとか様々な理由でお客さんのテンションが下がっている時、つまりお客さんとの相性が悪いという運の悪い状態です。ここで勘が鋭くなっていればたった一言のだじゃれで会場の空気をハイにすることができます。
ぼくもこの「3分前に起きる」やつを練習しようかと思います。マスターすれば少しは滑る回数も減るのではないかと思います。ただね、ぼくはどうしても二度寝が好きなんですよ。気持ちいいでしょ二度寝って?二度寝をしたら勘は鋭くならないのかな?桜井がマージャンを教えている雀荘は東京の町田にあるんで、今度ライブで町田に行くことがあって、たまたま道ですれ違うという、ものすごい運に恵まれたら聞いてみます。