ハミングがきこえる

逆転の発想ってあるじゃないですか。常識とはわざと反対のことをして成功しようとするやつです。お笑いで言えば、お笑いは明るくてばかばかしいことをするのが普通ですが、わざと暗くてシリアスなことをしたりすることです。これはタイミングさえはまっていれば功を奏することも結構あると思います。みなさんはカヒミカリィという歌手をご存知でしょうか?もう10年近く前に流行った歌手なので知らない人もいると思うのですが、普通歌手は高い音や低い音、声量、声の質などの生まれ持った身体的特徴を武器に、さらに練習することによって、普通の人には到底まねできない歌の上手さを売りにします。プロの歌手の熱唱はお客さんを感動させます。ところがカヒミカリィは歌手でありながら歌が上手いのかどうかすらわからないんです。曲にあわせてささやいてるんです。音楽が邪魔で歌声が聞こえにくい曲もあります。あれで細川たかしと同じ土壌でそこそこ売れてしまうのだから、まさに逆転の発想です。しかもカヒミカリィフリッパーズギターピチカートファイヴの仲間の「渋谷系」と言われていた、えせサブカルチャーよりのインディーズ歌手なんです。ところがちょっと人気が出た途端、夫の小山田圭吾さくらももこが作った「ちびまるこちゃん」のエンディング曲を歌うという、絶妙のタイミングのワザをみせました。ピチカートファイヴ小西康晴という人も流行っている時のパフィーをプロデュースしたり、最近では松浦亜弥の「ね〜え?」という曲の編曲をしました。この「渋谷系」の人たちの流行に対する敏感さ、というかもうかる話しの見つけ方は株の投資家にでもなったらいいのではないかと思うくらいすごいです。ちなみにカヒミカリィの本名は比企真理(ひき まり)。ローマ字にしてそれを並べ替えるアナグラムという方法で芸名を付けました。でも銀座カリィじゃねえんだからさ、何人かわかんねえよ。
♪おしゃべりなあの子〜が〜ホラ
自転車でやってくる〜〜